20世紀最高のソプラノ歌手と言われたマリア・カラス(1923~77年)のヴィオレッタ、ニコラ・レッシーニョ指揮で、1958年ロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場で上演された本オペラのライブ録音盤(ICA Classics)。
〔写真は筆者提供〕
ヴェルディーのオペラ『ラ・トラビアータ』の原題は「堕落した女」という意味であるが、日本では『椿姫』と訳されている。
僕が初めてオペラと出合ったのは、米国ミネソタ州ローチェスターにあるメイヨー・クリニックに留学中のことであった。ミネソタの冬は雪と氷に閉ざされ、娯楽も限られてしまう。この時期にメトロポリタン・オペラがミネアポリスにやってくる。細君とともに、果てしなく続く雪原の中を90分近くも車を走らせ、何度も劇場に足を運んだ。その時『椿姫』と出合ったのである。以来、マリア・カラスやアンジェラ・ゲオルギューの歌声でも、クライバーやショルティの指揮でもこのオペラを堪能した。ベルリンでも、ロンドンでも、日本各地でも、上演があると何を差し置いても劇場に向かった。
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