ディヌ・リパッティは1917年ルーマニア生まれのピアニスト。1950年12月2日、悪性リンパ腫(白血病とも)により33歳の若さでこの世を去った。写真左は1947年9月のスタジオ録音(TOCE-7584)、右は1950年9月16日のライブ録音盤(TOCE-8351)〔写真筆者提供〕
クラシック音楽のCDを聴くことやコンサートに行くことは、私の日常生活の重要な構成要素になっている。特にピアノ曲が好きで、最初によく聴いたのはルービンシュタインが弾いたショパンのワルツ集のLPレコードであった。学生時代には、上野の東京文化会館の音楽資料室で様々なレコードを聴いた。その中で、ディヌ・リパッティの弾くショパンの清新・鮮烈な印象は今でも覚えている。私は早速、リパッティのショパンのワルツ集とピアノソナタ3番のLPを買い求めて愛聴した。
医者になって十数年経つとLPからCDの時代になり、私の蒐集もCDに変わった。往年の名演奏がどんどんCDで聴けるようになったので、リパッティとクララ・ハスキルのCDは手に入る限りのものを集めて聴いた。いろいろ語り出すと切りがないが、多くの名演奏の中でただ1つと言われると、リパッティの弾くショパンのワルツ集を挙げたい。
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