賀川豊彦(1888〜1960年)の生誕100年に当たる1988年にアメリカで出版された、ロバート・シルジェン著『Apostle of Love and Social Justice』の邦訳本。
賀川豊彦記念松沢資料館 監訳(新教出版社、2007年刊)
〔写真筆者提供〕
人物の評価は難しい。大宅壮一をして「明治、大正、昭和の三代を通じて、日本民族に最も大きな影響を与えた人物ベストテンを選んだ場合、その中に必ず入るのは賀川豊彦である」と言わしめた。賀川は、キリスト教実践による大正・昭和期の社会運動家、戦前日本の労働組合、農民運動、生活協同組合、「イエス団」の創始者と紹介されることが多い。
生来聡明で読書家であった賀川は、24歳で神戸神学校を卒業し、26歳から米国プリンストン大学および神学校に留学、神学士の学士号を受けた。同大学では生物学、胎生学、遺伝発生学、比較解剖学などの科目も取ったという。
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