エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー監督・脚本、アシュトン・カッチャー主演のSFサスペンス(米国ニュー・ライン・シネマ配給)。2004年公開(日本公開は05年)。
(ジェネオンエンタテインメント、2005年発売)
古典からSFまで、よく映画を観る。大抵は、何か仕事のアイディアを得られないかという観点で観ている。そんな中、最近印象に残ったのがこの映画だった。過去に戻る能力を持つ主人公が、少年の頃の自分の日記を窓口にして過去を操作することで未来がどんどん変わっていく、という話。「蝶の羽ばたきが地球の裏側で嵐を起こす」という理論を時間軸に置き換えた、面白いアイディアの映画である。
思い返すと、自分にも「あのとき、こうしたら今頃は違ったのかもしれない」というケースがいくらでもある。たとえば医師を志したことだって、たまたま通っていた幼稚園の本棚に野口英世の伝記がなければ、近くの町医者の待合室に『ブラック・ジャック』の漫画がなければ、今頃はパン屋か宇宙物理学者、ヴァイオリン奏者になっていたかもしれない。
残り358文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する