楽天メディカルジャパンは9月25日、世界に先駆けて、頭頸部癌の光免疫療法に用いる医薬品「アキャルックス点滴静注」(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム)の日本での製造販売承認を取得したと発表した。
アキャルックスは、セツキシマブと光感受性物質である色素を結合させた抗体薬物複合体からなる点滴静注用の注射剤。同社の「イルミノックスプラットフォーム」(特定の細胞に選択的に光感受性物質を運び、光を照射することで標的の細胞を壊死させる治療技術基盤)を基に開発された最初の医薬品で、アキャルックスと組み合わせて用いる「BioBladeレーザシステム」も9月2日に承認されている。アキャルックスを承認した国は日本が初めてとなる。
承認の根拠となった臨床試験のうち、局所再発頭頸部癌を対象として行われた海外第Ⅱa相臨床試験での奏効率は43.3%。うち完全奏効は13.3%(4人)、部分奏効は30.0%(9人)。
楽天メディカルジャパンの三木谷浩史会長は「日本人研究者(=米国立衛生研究所主任研究員の小林久隆氏)が開発した治療(=光免疫療法)を、がんと闘う患者へ1日でも早く届けるために挑戦し続けてきた。世界に先駆けた日本での承認を感慨深い思いで受けた。これは挑戦の始まりだ」とコメントしている。
「アキャルックス点滴静注」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌 【用法・用量】1日1回640mg/㎡(体表面積)を2時間以上かけて点滴静注。点滴静注終了20〜28時間後にレーザー光を病巣部位に照射