キッセイ薬品工業は2月26日、GnRH受容体拮抗薬リンザゴリクスについて、子宮筋腫を適応症として国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
リンザゴリクスは経口投与が可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体拮抗薬。下垂体に存在するGnRH受容体においてGnRHと拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑制することで、卵巣でのエストロゲン産生を低下させ、出血症状および疼痛症状を改善するという。
申請は子宮筋腫患者計376例を対象とした2つの国内第Ⅲ相臨床試験(KLH2301、KLH2302)に基づき行われた。試験では主要評価項目である「投与6週後から12週後までのPBACスコア」や、「投与終了前28日間の疼痛症状に対するNRSスコア」で対照薬投与群に対する非劣性、およびプラセボ投与群に対する優越性が示され、安全性に関する新たな懸念は認められなかった。
欧州では、英セラメックス社が2024年9月に子宮筋腫を適応症として発売しており、同年11月に子宮内膜症の適応追加の承認も取得。国内でも子宮内膜症を対象とした第Ⅲ相臨床試験の準備が進められている。
国内第Ⅲ相臨床試験の主要評価項目であるPBACスコア
生理用品への月経血の付着の程度、使用数、血塊の大きさと数などを点数化したもの。1回の月経で合計100点を超えると80mL以上の出血があったと考えられ、過多月経が疑われる