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【私の一曲】『ZOO』

No.4737 (2015年02月07日発行) P.77

和田康夫 (赤穂市民病院皮膚科部長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-09

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  • 作家、ミュージシャン、映画監督として活躍する辻仁成の作詞・作曲。辻を中心に結成されたロックバンドECHOESが1989年にシングルとして発売、写真のアルバムにも収録(ソニー・ミュージックダイレクト、2010年)。2000年フジテレビ系列で放映された辻脚本のドラマ『愛をください』の主題歌として使用された。

    人生に疲れたときに聴く曲

    辻仁成のコンサートに行ってきた。

    辻仁成というと、女優中山美穂との離婚で最近話題の人である。辻については、『そこに僕はいた』(新潮社)という青春エッセイを読んだくらいの知識しかない。小学生の頃に出会った友人たちとのやりとりを、つい昨日のことのように軽妙なタッチで情景豊かに描いている。

    中原中也のような風貌で、中性化を唱える辻がマスコミからバッシングを受けている頃、作家としてどのような人物なのか気になっていた。ミュージシャンとしては未知だったが、チケット情報誌でたまたま見かけて行ってみようと思った。

    会場は梅田クラブクアトロ。小さなライブハウスで聴衆は100人くらい。50歳代以降の人が多く、男女比は半々くらいだろう。芥川賞作家だからトークが中心かと思うと、1人でギターを弾きながら歌い始めた。社会の不条理、人生の意義が見いだせないことへの苛立ちをテーマにしたものが多い。

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