大阪から福岡へ2005年に異動して間もなく、ある脳卒中患者さんに頸部血管エコーを行い、その所見に驚いた。総頸動脈は顎の下あたりの分岐部でやや膨らみ外頸動脈を分枝し、内頸動脈となり少し径を減じて頭側へ上る(図左上、矢印は分岐部プラーク)。ところが、その患者さんの内頸動脈は分岐後2cmほど遠位側で急激に径を減じて上行していた(図左下矢印)。
それまで約20年にわたり脳卒中患者さんの心エコーや頸部血管エコーに携わってきて初めての経験であった。その内頸動脈の径を減じる様は「シャンパンボトルネック」様(図右)であり、患者さんの疾患は「もやもや病」であった。その後、もやもや病で病期の進んだ方に高率に同様の所見を認め、もやもや病にみられるシャンパンボトルネックサインとして報告した(J Ultrasound Med. 2006 ;25(12):1547-52)。
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