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世の中にはわからないことがいっぱい![炉辺閑話]

No.5045 (2021年01月02日発行) P.90

井尻慎一郎 (井尻整形外科院長)

登録日: 2021-01-04

最終更新日: 2020-12-28

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小さい頃から「なぜなぜ事典」のような本が好きで、医師になってからも様々な本を読んだりネットで調べたりして疑問をエッセイに書いたりしてきた。「植物と動物の違い」「生物と無生物の違い」「生命の定義」「老化とは」「寿命はなぜある?」「死とは」「進化はなぜ起こる?」「時間とは」「鏡の中の上下と左右の違いは?」など。身近な疑問として「インフルエンザに罹るとなぜ関節痛が生じるのか?」を今まで、感染症の専門家に聞いたり調べたりしてきたが原因がわかっていない。自分だけが知らないだけで世間では常識で恥をかくこともありうるので、この疑問の回答が既に周知の事実ならお許しを。

整形外科医なので「なぜ男性より女性に変形性膝関節症が多いのか?」も膝関節を専門とする大学教授2~3人に聞いてみたがはっきりした回答がない。私なりには「中年以降に女性は体重が増えることが多く、男性と比較して膝関節面の面積が小さく圧力が強くなる。さらに、筋力が弱くて関節がグラグラしやすく傷みやすい。骨粗鬆症になりやすく、脛骨の関節軟骨下層の骨が弱く凹凸になりやすい」のが原因だと考えている。

以下の事はまだ自分なりに解決していない人間や生物的な疑問。

「青虫からさなぎを経て綺麗な蝶になる完全変態の機序は?」さなぎの中がドロドロであることは以前からわかっていた。最近、マイクロCTでさなぎの中を見る画像が発表されたが、やはり機序はわからないまま。
「光合成の仕組みはかなり解明されているが、どうやって植物がそのような凄い仕組みを持ちえたのか?」最近、触媒を使って光合成を人工的に再現できるかもしれないとのニュースを見たが、植物は何億年も前から自然に普通に行っている。

「生命の定義は理解できる。ウイルスが生物か無生物かの論争はいつもあるが、コンピュータウイルスはどうなのか?」「ある研究所で、細胞内の諸器官をバラバラにしてもう一度細胞膜の中に詰め込んだら動き出した、というニュースを読んだが本当?」生命として自立して動き出すにはなにか最後に一息、それこそ生命の息を吹きかける必要があるように感じる。

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