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私的コロナ事情[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(348)]

No.5059 (2021年04月10日発行) P.68

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2021-04-07

最終更新日: 2021-04-06

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幸いなことに、身近な人で新型コロナの感染者は出ていない。そんなでも、影響は結構あった。この1年の間に、妻に37.5度以上の熱発が2回。そのたびに、一応の家庭内隔離をおこなった。じゃまくさ。

近所に住む次女の家はもっと大変だった。去年の春には、婿殿が濃厚接触者になって、2週間の自宅待機。その間、娘と2人の孫は我が家で避難生活。「孫は来てよし帰ってよし」と言われる理由がよくわかった。

先月の初めには、その家の小さい方の孫、2歳の女児が通う保育園で感染者が出た。同じクラスの園児だったので、これまた濃厚接触者に認定。孫のPCR検査は幸い陰性だったけれど、やはり2週間の自宅待機に。

小さな子どもを1人で置いておく訳にはいかない。なので、母親も仕事へ行けず。お兄ちゃんは幼稚園から休んでくれと言われ、父親もテレワークに。結構大変である。

濃厚接触者の数となると、陽性者数の何倍にもなるはずだから相当なものだろう。その全家庭でこのような生活が強いられているとなると、総数はいかばかりか。中には仕事を休めない人もいるだろうに。

感染者情報の秘匿は徹底されていて、どの子が感染者だったかはわからずじまいらしい。そういえば、母の通っている病院でも感染者が出て大騒動だったようだが、噂にこそなれ、オープンにはされていない。

私自身は、もともと体が丈夫なのか、コロナが始まってからも発熱などはなく元気。ただ、咳が止まらなくて、在宅ワークにしたことが2回あった。なんだか視線が怖くて電車に乗る勇気がなかったのである。

昔から平熱が35℃台と低い。なので、劇場やデパートの入口にある簡易体温計で測定しても、36℃を超えることが少ないくらいだ。それどころか、34℃台をたたき出したりして、再計測されることがしばしばある。

おでこがむっちゃ広いのにだめで、「手首でお願いします」と言われることも多い。すかさず、「ハゲやからあかんのですかね」と返す。すると、ほぼ100%、あははと笑ってからスミマセンと謝られる。ええんですよ、笑わすために言うてるんですから。

時々行く某施設では、常にえらく低い計測値が出る。先日、自己最低の30℃を記録した。おいおい、いくらなんでもそれは器械が壊れてるんとちゃうんか。ちゃんと整備しといてくれなあかんで、ホンマに。

なかののつぶやき
「遠くない将来、ワクチン接種が順調に進んで、コロナ禍の生活を、『そういうたらそんなこともあったなぁ』と笑える日がくるんでしょうか。ただ、ニュースでイスラエルの映像を見ていると、ずいぶんとワクチン接種が進んでいるのに、マスクをしてる人が多そうです。なんとなく怖い、という感覚は、コロナが明けてもしばらく残り続けるんかもしれんですね」

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