菅義偉首相は5月28日、9都道府県(北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡)に出されている緊急事態宣言の延長(6月20日まで)決定後、首相官邸で記者会見に臨み、新型コロナワクチンについて、6月中には高齢者接種のメドがついた市町村から「広く一般への接種を開始する」と述べた。
政府は、高齢者に続く優先接種の対象を「基礎疾患を有する者等」(基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者、60歳~64歳の者)と定めているが、「基礎疾患を有する者等」の先行予約期間中も、予約の空き状況がある場合などはそれ以外の一般住民の予約受付もできるとの考え方を示し、全国の自治体に対し可能な限り接種の空白期間をつくらないよう呼びかけている。
28日の記者会見で菅首相は「来月(=6月)中には、予約状況などを踏まえ、高齢者への接種の見通しがついた市町村から、基礎疾患がある方々を含めて、広く一般にも接種を開始する」と明言。併せて「職場や大学での接種も進める」と述べた。
高齢者への接種については「1日100万回」を目指すとあらためて強調し、その達成時期について「6月中旬以降には100万回に対応できる体制ができてくる」との見通しを示した。
市町村での接種にはファイザーのワクチンが使われているが、厚生労働省は職域接種には、現在大規模接種施設(東京、大阪、愛知などに開設)に供給されている武田・モデルナのワクチンを利用する方針を示している。