ファイザーは5月31日、新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の添付文書を改訂し、これまで「16歳以上」としていた接種対象者を「12歳以上」に変更した。これを受け、厚生労働省は、予防接種法に基づいて進めている新型コロナ感染症予防接種の対象者を「16歳以上」から「12歳以上」に拡大することを決め、全国に通知した。5月21日に特例承認された武田・モデルナのワクチンの接種対象者は18歳以上とされているため、12~17歳の接種にはファイザーのワクチンのみ使用することになる。
コミナティ筋注の添付文書改訂は、12~15歳の青少年2260人を対象とした国際共同第3相試験で100%の発症予防効果が示されたことなどを根拠に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会の審議を経て行われた。
今回の改訂では併せて、2~8℃での安定性試験成績に基づき、コミナティ筋注の保存方法も変更。冷凍保存に加え、冷蔵(2~8℃)でも1カ月間保存可能であることが明記された。
コミナティ筋注を巡っては予防接種の中で誤接種事例が報告されていることから、ファイザーは5月31日、「適正使用に関するお願い」を作成・公表。
これまでに「接種を受けた対象者に同日中に再度接種」「1回目接種から3週間経たない時期に接種」「解凍後再凍結したワクチンを再解凍して接種」「希釈後6時間以上経過したワクチンを接種」などの誤接種事例が報告されているとして、①接種前の対象者と接種後の対象者の導線の明確な区別、②予診票や接種済証による1回目接種から3週間経過していることの確認、③1回目に接種されたワクチンが同じメーカーのワクチンであることの確認─などの留意事項を示し、適正に使用するよう呼びかけている。