千葉大学医学部附属病院(横手幸太郎病院長)は6月3日、新型コロナワクチンの接種を受けた職員を対象に抗体価を測定したところ、女性は比較的抗体価が上がりやすく、年齢が高い人は抗体価が上がりにくいことが明らかになったと発表した。
抗体価の測定は、ファイザー社製ワクチンの接種を受けた千葉大病院の職員を対象に、接種前と2回接種終了後に実施。
1774人(男性606人、女性1168人、21~72歳)の採血検体を解析した結果、ほぼ全員に抗体価の上昇がみられ、2回目接種後の抗体の陽性率は99.9%(1774人中1773人)に上った。
年齢、性別、飲酒頻度、1回目と2回目の接種間隔などの因子と抗体価の関連についても調査し、「女性」「COVID-19既往歴あり」「1回目と2回目の接種間隔が長い(18~25日)」「抗アレルギー薬の内服あり(花粉症薬など)」などのグループでは比較的抗体価が上がりやすく、「年齢が高い」「免疫抑制薬の内服あり」「副腎皮質ステロイド薬の内服あり」「飲酒の頻度が高い」などのグループでは抗体価が上がりにくい傾向がみられたという。
千葉大病院は、ワクチンによる副反応と抗体反応の関連についても解析を進めており、さらに、接種を受けた職員の1年後のCOVID-19罹患率なども調査する予定。
1700人を超える大規模研究でワクチンの効果が検証されたことについて横手病院長は「大きな成果。今後の接種を後押しし、コロナと闘う医療従事者に安心を与えてくれるものと考える」とコメントしている。