株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

肘が痛い患者さん[プラタナス]

No.5075 (2021年07月31日発行) P.3

伊藤公訓 (広島大学病院総合内科・総合診療科教授)

登録日: 2021-07-31

最終更新日: 2021-07-28

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 内視鏡診療に30年近く関わってきました。この写真は、私の生涯でのベストショットです。といっても、さして珍しくもない胃癌の写真で、芸術的には凡庸な画像でしょう。ただ、この患者さんから、私は多くのことを学びました。臨床医であれば、誰でも医師人生の中で忘れ難い患者さんと巡り会います。私にとってはこの患者さんがその人でした。

    1999年7月のある日、突然病院長から呼び出しがありました。広島の某病院で勤務医をしていた時のことです。「伊藤くん、整形外科の外来に来てくれないか?」。病院長は整形外科医で、50歳代の上品な女性を診察していました。シャウカステンには肘関節のX線写真。病院長は静かな声で「伊藤くん、この人の胃を診てあげてくださいな」。えっ?肘が痛いんですよね?意味がわからず当惑するばかり。翌日の内視鏡検査でこの病変が見つかりました。胃癌の骨転移でした。

    残り479文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top