第一三共が東大医科学研究所の藤堂具紀教授(写真)と共同で開発し、今年6月に「悪性神経膠腫」治療を目的とした再生医療等製品として条件・期限付きで承認されたがん治療用ウイルスG47Δ(デルタ)製品「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)の保険適用が8月4日、中医協で了承され、12日に薬価収載されることが決まった。薬価は1mL 1瓶143万1918円。
「デリタクト注」は、悪性神経膠腫の治療を目的として世界で初めて承認されたがん治療用ウイルス。腫瘍細胞でのみ増えるように改変したウイルスを腫瘍内に投与し感染させ、腫瘍細胞を破壊する新しい治療法に用いられる。
類似薬がないため薬価算定は原価計算方式で行われたが、中医協の薬価算定組織より「世界に先駆けて日本で承認されたものだが、臨床試験は1年生存率を評価した医師主導試験のみであり、審査報告書でも『一定の有効性が期待できる』との判断にとどまっている」などの意見が出され、先駆け審査指定制度加算(最大20%)や市場性加算Ⅰ(最大20%)はそれぞれ10%に抑えられた。
第一三共はデリタクト注のピーク時(10年後)の市場規模について、投与患者数208人、販売金額12億円と見込んでいる。
「デリタクト注」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】悪性神経膠腫 【用法・用量】1回あたり1mLを腫瘍内に投与。原則として1回目と2回目は5~14日の間隔、3回目以降は前回投与から4週間の間隔で投与。投与は6回まで
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