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腰椎変性疾患に対する間接除圧による側方経路腰椎椎体間固定術(LLIF)の適応

No.5078 (2021年08月21日発行) P.47

南出晃人 (獨協医科大学日光医療センター 整形外科・脊椎センター教授)

森平 泰 (獨協医科大学医学部整形外科学准教授)

登録日: 2021-08-23

最終更新日: 2021-08-17

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  • 近年,腰椎変性疾患に対する側方経路腰椎椎体間固定術(lateral lumbar interbody fusion:LLIF)による間接除圧術が行われてきていますが,従来からの腰椎後方進入椎体間固定術〔transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF)/posterior lumbar interbody fusion(PLIF)〕との使いわけはどのようにしていますか。LLIFでの適応の限界を含めて先生のお考えを教えて下さい。
    獨協医科大学・森平 泰先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    南出晃人 獨協医科大学日光医療センター 整形外科・脊椎センター教授


    【回答】

    【椎間板が主病変である多くの腰椎疾患に適応可能だが,血管走行異常症例に注意】

    (1)LLIFの利点と適応

    LLIFは,後腹膜アプローチで行う前方椎体間固定(anterior lumbar interbody fusion:ALIF)の手技を小皮切かつX線透視下に行えるように発展したもので,後腹膜臓器や大血管を大きく展開することなく脊椎に到達することで,前方手術の侵襲を軽減します。また,後方からのTLIF/PLIFと異なり,椎弓や椎間関節などの脊椎後方要素を温存しながら硬膜や神経根を展開せずに,面積の大きなケージを椎体間に設置することができます。2006年のextreme lateral interbody fusion(XLIF)の報告後,LLIFは椎間板の変性や破綻を主因とした腰椎疾患に対して,後方からのTLIF/PLIFに代わる低侵襲手術として広く一般化し,良好な成績が数多く報告されています。

    LLIFの利点は,椎間板側面からの強力な椎間解離が可能で,前・後縦靱帯を温存しながら大きな椎間ケージを椎体外縁のring apophysisで支持するように挿入し椎間高を獲得することで,側弯矯正と同時にligamentotaxisによるすべりと回旋の矯正が比較的容易にできることです。また,脊柱管や椎間孔の間接的神経除圧が可能であること,TLIF/PLIFと比べて出血が少なく骨癒合率が良いことも報告されています。

    LLIFは椎間板が主病変である多くの腰椎疾患に適応可能であり,後方手術の再手術では癒着した神経組織を展開しないために特に有用と言えるでしょう。固定術が必要と判断した腰椎変性疾患に対する治療は,近年ではまずLLIFによる低侵襲固定術で治療可能かどうかを検討することから始めると言っても過言ではないでしょう。

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