天孫降臨といえば高千穂だが、その神話の舞台は二説ある。ひとつが宮崎県北部の高千穂町で、もうひとつは宮崎と鹿児島の県境にそびえる霧島連山の高千穂峰だ。まぁ、神話の舞台なんだからどちらでもよさそうなものだけれど不思議なことではある。
ふたつの高千穂を巡るという、特に意味のない小旅行にでかけた。あいにくのお天気だったけれど、高千穂町では高千穂神社や天岩戸神社を巡り、霧島では温泉を堪能しと、それなりに満足して帰ってきた。
高千穂町で何よりの楽しみにしていたのは、高千穂峡でのボートである。ただ、残念なことに、大雨による増水で乗れなかった。そしてもうひとつ、楽しみにしていたのはディーゼルカーの体験運転だ。
かつて、高千穂と延岡を結ぶ鉄道、国鉄高千穂線があった。第三セクターへと受け継がれたが、いまは「高千穂あまてらす鉄道」として、トロッコみたいなスーパーカートが観光用に運行されるだけになっている。そのHPを眺めていたら、ディーゼルカーの体験運転と書いてある。もちろんホンモノだ。おぉ、列車の運転ができる!
一度はやってみたいと思っておったのだ。子どもみたいだけれど、通勤の電車やモノレールでいちばん前にのって、運転を見るのが結構好きである。いつも、アクセルとブレーキだけなんだから、さして難しくはないだろうと思いながら見ている。ということで、体験させてもらうことに。
まずはレクチャーを受ける。最近の電車はハンドルひとつで操作できるが、旧式なので、左手でアクセル、右手でブレーキを操作する。アクセルは、一速、二速、と入れていくだけなので難しくはない。しかし、ブレーキの加減が難しい。自動車とかと違って、空気式のブレーキで、効かせすぎると急停止するし、緩めても反応がかなり遅い。
まず運転士さんの模範運転を学んでからチャレンジした。といっても駅構内の900メートルを二往復するだけだ。プラットフォームなど何カ所か、定められた場所で停止することになっている。しかし、それがむちゃくちゃに難しい。なんでも、きちんと運転できるようになるまでと、100回以上も通った方がおられるとか。
見てたら簡単なんですけどねぇ。もう二度と、電車やモノレールで、下手くそな運転やなぁなどという文句は言いません。
なかののつぶやき
「『出発、進行!』と言いながらポーズをとってるところ。コロナ対策で、白い布手袋じゃなくてラテックスの手袋。我ながら、むっちゃうれしそうです」