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■NEWS 費用増加の場合は最小の価格調整係数を適用へ―費用対効果評価部会

No.5088 (2021年10月30日発行) P.71

登録日: 2021-10-21

最終更新日: 2021-10-21

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中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会は1015日、医薬品・医療機器の費用対効果評価制度の見直しで、比較対照技術と効果が同等で費用が増加する場合や、企業が分析期限を守れなかった場合の取扱いなどについて、厚生労働省が示した論点案を概ね了承した。

この日は、主に費用対効果評価結果を踏まえた価格調整方法のあり方を議論。厚労省は、①費用増加の場合の取扱い、②分析期間超過時の取扱い、③患者割合の取扱い―などの各課題について、論点を提示した。

費用対効果評価では、まず、比較対照技術に比べて費用や効果がどの程度増加するかを示す「増分費用効果比(ICER)」を算出。次にICERの値に応じた価格調整係数を所定の式に当てはめて、調整後薬価を算出する。ICERの値が高い(費用対効果が悪い)ほど、価格調整係数は低くなり、調整後薬価の下げ幅も拡大する。

ただ、現行の価格調整では、比較対照技術と効果が同等かつ、費用が増加する(費用増加)品目に関するルールは定められていない。このため、①では、こうした品目に最も小さな価格調整係数を適用することを提案した。②では、企業分析の期限(品目指定を受けてから9カ月)を超過した場合の取扱いを提言。厚労省が事前に期間超過の理由を企業に確認し、妥当性がないと判断された場合には、価格調整の際に最小の価格調整係数を適用する案を示した。

■患者割合は公開可能なものの使用を原則化

一方、対象品目に複数の分析対象集団がある場合は、分析対象集団ごとに費用対効果評価を行って薬価を算出した後、それらを分析対象集団の「患者割合」などで加重平均して品目の最終的な調整後薬価を求める仕組みとなっている。こうしたケースにおいて、「患者割合」は価格決定の重要な要素となるため、価格調整や費用対効果評価の透明性確保のためにも公表するべきだとの意見があるが、現在は個別に企業に照会し、公開不可との回答があった場合には非公表扱いとしている。③では、この扱いを見直し、患者割合は、原則として公表可能なものを用いることとした上で、公表が困難な場合は、その理由の説明を求めることを提案した。

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