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口腔乾燥症[私の治療]

No.5088 (2021年10月30日発行) P.54

渡邊 章 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座准教授)

登録日: 2021-10-27

最終更新日: 2021-10-26

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  • 口腔乾燥症(ドライマウス)とは,唾液減少が原因で口腔粘膜の乾燥をきたし,粘膜に現れる症状を総称して用いられている。昨今,増加している背景には,口腔に対する意識の向上,社会的ストレスの増加,使用薬剤の増加,高齢化社会,咀嚼習慣の変化などが挙げられ,原因を追究することが重要である。また,継発する症状として粘膜炎,舌痛,味覚障害,口臭,歯周病,う蝕などがあり,それらに対する予防や対応も重要となる。

    ▶診断のポイント

    自覚症状として口腔内の乾燥感,ねばつきなどがある。乾燥が進むと口蓋,舌に接触による粘膜炎症状を認める。さらに重度の場合には舌乳頭の萎縮,頬粘膜のかさつきなど粘膜に症状がみられる。シェーグレン症候群の場合には,口腔乾燥のほか,眼の乾燥なども認める。原因は以下の,大きく3つに分類される。

    ①唾液腺自体の機能障害によるもの
    シェーグレン症候群が代表的であるが,放射線治療や加齢変化による唾液腺障害,造血幹細胞移植後のGVHD,サルコイドーシス,AIDS,悪性リンパ腫,唾液腺炎,唾石症,唾液腺腫瘍,唾液腺摘出後の併発症などが挙げられる。

    ②神経性あるいは薬剤性のもの
    抑うつ,ストレスなどの精神状態,抗不安薬,抗うつ薬,降圧薬,副交感神経の抑制に関わる薬剤などが挙げられる。

    ③全身性疾患あるいは代謝性疾患によるもの
    脱水,糖尿病,腎障害,貧血などの全身疾患が挙げられる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    問診で既往歴,服薬中の薬剤を確認し,口腔内の粘膜症状などを注意深く観察する。唾液分泌量検査を行う(ガムテストで10mL/10分以下,サクソンテストで2g/2分以下を陽性)。

    唾液分泌量検査の結果が陽性で,シェーグレン症候群を疑う場合には,①Schirmer test(涙液の分泌量が5mm/5分以下で陽性),②免疫血清検査(抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体が陽性),③口唇腺の生検(4mm2 1 focusの導管周囲に50個以上のリンパ浸潤がある)のうち1つ以上が該当すれば確定診断となる。

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