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人が運動をしたくなる一枚[プラタナス]

No.5091 (2021年11月20日発行) P.3

能勢 博 (信州大学大学院医学系研究科e-ヘルスサイエンス特任教授)

登録日: 2021-11-20

最終更新日: 2021-11-18

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  • 読者の先生方で、日々の診療現場で患者さんにウォーキングなど、運動を勧められる機会が多いと思う。でも、どれほどの速さで、どれほどの時間、どれほどの頻度で行えば、どんな効果が期待できるか、を言える方は少ないのではないだろうか。患者さんに運動をしてもらうには、この情報が重要なのである。

    私たちは、インターバル速歩、携帯型カロリー計、ITネットワークからなる遠隔型個別運動処方システムを開発し、過去15年余りで中高年者9600人を対象にその効果を検証してきた。インターバル速歩とは、個人の最大体力の70%以上の速歩と40%のゆっくり歩きを交互に繰り返す歩行を、1日30分以上、週4日以上繰り返す運動トレーニング方法である。その結果、5カ月間で体力が最大20%向上し、それに比例して生活習慣病の症状が20%改善、さらに関節痛、不眠、うつなどの症状が30%以上改善することが明らかとなった。

    ただ、当初、このシステムを使って事業を開始するにあたって最も心配だったことは、実際、参加者の方々がインターバル速歩を継続してくれるか、ということであった。そこで考案したのが下の図である。1週間のインターバル速歩時のカロリー消費量とそれに対する評価、個人の最大体力の70%の目標ライン(赤色横線)が表示されている。

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