小児の便秘が問題になっている。NPO法人日本トイレ研究所が3月に行った調査では、小学生の約2割が便秘との結果が出ている。近年増えつつある排便外来の先駆けとなったのが、中野さんが部長を務めるさいたま市立病院の小児外科だ。県外からも患者が訪れる人気外来で、診察は数カ月待ちになることもあるという。
「地域医療にもっと貢献したい」─。そんな想いから、生まれつき肛門がうまく作られなかった鎖肛や、消化管の動きを制御する腸の神経節細胞がないために重い便秘症や腸閉塞を起こすヒルシュスプルング病など、先天性疾患で排便管理が難しい小児だけでなく、一般的な慢性機能性便秘の小児の受け入れを始めた。
「今は先天的な病気で外来に来る患者さんは1割以下。慢性機能性便秘の子どもがどんどん増えています。受診は苦しんだ挙げ句ではなく早めがいい。子どもだから口には出しませんが、自分がこれだけ苦しんでいるのに誰も何もしてくれないとなると、自尊感情は相当落ちますよね」
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