魚鱗癬という病気をご存知だろうか。生まれつき、全身の皮膚が赤くガサガサになる疾患である。もちろん皮膚科で診る疾患だが、長い病名が付いた病型が多数あり、その理解は容易ではない。したがって、皮膚科医ですら苦手にしていることが多く、専門家と呼べる皮膚科医は国内でも数人しかいない。私もかつては魚鱗癬が苦手で、専門医試験の直前にたくさんの病型と遺伝形式、原因遺伝子を丸暗記したことを今でも覚えている。そんな私がなぜ、現在では嬉々として魚鱗癬の診療を行っているのか、紹介したい。
残り775文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する