【皮質損傷による垂れ手の場合には,手首と手指の伸筋の麻痺に加えて,手指屈筋に軽度ながら痙縮が生じるため,自在鉤現象が生ずる】
橈骨神経麻痺による垂れ手では,手首と手指の伸筋が弛緩性の麻痺を生じるだけです。
しかし,皮質損傷による垂れ手の場合には,手首と手指の伸筋の麻痺に加えて,手指屈筋に軽度ながら痙縮が生じています。
そのため,手首を背屈させるとその痙縮がはっきりと現れてきて,自在鉤現象が生ずると考えられます。
【回答者】
岩田 誠 東京女子医科大学名誉教授/ メディカルクリニック柿の木坂院長