厚生労働省は3月4日、2022年度診療報酬改定の告示、通知、説明動画などを公表した。この中で施設基準が大幅に見直される「機能強化加算」について、「地域包括診療加算2」の届出施設や非機能強化型の在宅療養支援診療所などが算定する場合には、訪問診療や緊急往診などの実績要件を満たす必要があると説明し、注意を促した。
「機能強化加算」で新たに実績要件が求められるのは、診療報酬の届出に関する施設基準を「地域包括診療加算/地域包括診療料2」の届出または、非機能強化型の在支診や在宅支援療養病院が「在宅時医学総合管理料」あるいは「施設入居時等医学総合管理料」の届出で満たそうとする場合。このうち「地域包括診療加算/地域包括診療料2」では、直近1年間の実績として、▶「地域包括診療加算/地域包括診療料2」の算定患者3人以上、▶「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)」の「1」、「同(Ⅱ)」または「往診料」を算定した患者が合計3人以上―のいずれかを満たさなければならない(22年9月末までの経過措置あり)。
これに対して、「地域包括診療加算/地域包括診療料1」と機能強化型の在支診、在支病は、届出時にすでに同様の実績要件が課されている。このため「機能強化加算」の届出で改めて実績要件を求めることはせず、従来通り「地域包括診療加算/地域包括診療料1」や「在医総管」、「施設総管」の届出だけで基準を満たせる扱いとする。
配置医師に関する基準も新設する。具体的には、▶介護保険制度の利用者等への相談への対応、主治医意見書の作成、▶警察医として協力、▶乳幼児健診を実施、▶定期予防接種を実施、▶幼稚園の園医等、▶地域ケア会議に出席、▶一般介護予防事業に協力―のいずれかを実施している常勤医の配置が必須になる。
一方、大病院受診時定額負担では、初診で選定療養費7000円、患者負担3000円のケースで、改定前後の患者負担の変化を試算。次期改定では初診の場合、保険給付範囲から200点を控除するとともに、定額負担額を現行の5000円から7000円に引き上げる。試算によると、改定後は保険給付範囲から2000円(200点)が控除されるのに伴い、選定療養費は5600円、患者負担は2400円に減るものの、定額負担を加えたトータルの負担額は9400円となり、改定前の8000円に比べ1400円増える。