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不正咬合[私の治療]

No.5108 (2022年03月19日発行) P.47

渡邊 章 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座准教授)

登録日: 2022-03-17

最終更新日: 2022-03-15

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  • 上下顎骨の大きさ,歯の大きさ,歯周組織,舌,口唇粘膜,成長発育などが強く関与し,何らかの原因で解剖学的な正常咬合が得られない状態である。不正咬合の原因には先天的および後天的な要因がある。
    【先天的要因】
    先天異常:口唇裂・口蓋裂,Down症候群,Crouzon症候群,鎖骨頭蓋異形成症など
    歯数の異常:先天性欠如歯,過剰歯など
    歯の形態異常:癒合歯,癒着歯,巨大歯,矮小歯など
    軟組織の異常:巨舌症,小舌症,無舌症など
    【後天的要因】
    全身的要因:内分泌異常,栄養障害など
    局所的要因:歯の萌出異常,悪習癖,歯科疾患,耳鼻科疾患,顎関節症,顎骨・歯の外傷,腫瘍,不良補綴物,ブラキシズムなど
    歯の形態・大きさ,位置や歯数などの異常,上下歯列弓関係などの異常により上顎前突,下顎前突,開咬,過蓋咬合,叢生,交叉咬合などに分類する。

    ▶診断のポイント

    口腔内診察を十分に行い,顔貌・口腔内写真,口腔内模型,パノラマX線写真,頭部X線規格写真,CTなどのデータを採集し,精密検査をする。

    顎運動,咀嚼筋筋電図,舌運動検査などを行う。

    歯性,骨格性の異常と機能異常を把握し,治療計画を立案する。

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