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コロナ禍が実現した患者との再会(水上 健)[プラタナス]

No.5111 (2022年04月09日発行) P.3

水上 健 (国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部部長)

登録日: 2022-04-09

最終更新日: 2022-04-06

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  • 私は便秘や過敏性腸症候群など、機能性腸疾患の診察を専門としています。便秘も過敏性腸症候群もストレスの影響が大きな疾患です。ストレス関連病態では、症状を悩めば悩むほど、それがストレスとなって悪循環をきたします。

    今から5年前、精神科受診中の「ちょっと」神経質な便秘の50代の男性患者さんがいました。便回数と便量が少なく、毎日下剤を飲んで何とか排便しており、旅行中は排便がないタイプで、最高20日排便がないとのことでした。

    来院前日は下剤を飲まないように指示しているのですが、腹部X線をみると便もガスもほとんどありません。患者さんは「おっかしいな、下剤を飲んでいないのにすっきり出ちゃったんですよね」と不思議な顔をしています。

    「旅行中排便がない“痙攣性便秘”の人は、たいてい受診日に排便があるんですよ。だって、悪くなると思って受診しないでしょ?」と説明すると、表情がパッと明るくなり、「そうだったんだ、心配しなくてよかったんですね!」と喜んで帰っていきました。結局、受診したのは初診時のその1回だけでした。

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