厚生労働省は4月11日、2022年度診療報酬改定の「疑義解釈資料(その3)」を地方厚生局などに事務連絡した。「地域包括診療加算」等の対象疾患追加や、新設の「外来腫瘍化学療法診療料」などについて詳しく解説した。
22年度改定では「地域包括診療加算」、「地域包括診療料」の対象疾患に「慢性腎臓病」と「慢性心不全」が追加された。このうち「慢性腎臓病」は、患者が慢性維持透析を行っている場合は算定対象外。この点について疑義解釈は、慢性維持透析に血液透析と腹膜透析が含まれることや、他院で慢性維持透析を受けている患者を診療した場合も算定対象外になることを示した。月の途中から慢性維持透析を開始した場合の透析開始日前の診療の取扱いにも触れ、「地域包括診療加算」の算定は可能だが、「地域包括診療料」は月1回の算定に限られるため算定できない、と説明した。
外来でのがんの化学療法を評価する新設の「外来腫瘍化学療法診療料」では、算定日と同じ日に同一医療機関の別の診療科を受診した場合の「初・再診料」の算定についての考え方を整理。当該診療料の対象である外来化学療法や治療に伴う副作用とは関連のない傷病の診療で、「初診料」の注5や「再診料」の注3(「外来診療料」の場合は注5)のただし書きに該当する場合は、これらの規定で定められた点数を算定できるとの解釈を示した。これらのただし書きでは、初・再診と同一日に他の傷病で同一医療機関の別の診療科を受診した場合、2つ目の診療科に限って初診は144点、再診は37点を算定することと定めている。
また、併算定ができないとされている「がん患者指導管理料」の「ハ」について、「外来腫瘍化学療法診療料」を算定する患者では同診療料を算定しない日であっても算定できないことを示し、注意を促した。同じく併算定が認められていない「在宅自己注射指導管理料」については、▶「外来腫瘍化学療法診療料」の対象である外来化学療法または治療に伴う副作用と関連のない傷病の診療で、自己注射の指導管理を行う場合は併算定可能、▶前者には該当しないケースであって、「外来腫瘍化学療法診療料」を算定しない日に自己注射の指導管理を行う場合は併算定不可―と説明した。