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遙かなるマチュピチュ(その1) ─ 峠越えはきつかった [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(117)]

No.4822 (2016年09月24日発行) P.72

仲野 徹

登録日: 2016-09-23

最終更新日: 2016-10-06

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  • 今年の夏休みは、積年の夢だったマチュピチュへ旅行した。場所はペルー、遠かった。そして、ただ地理的に遠かっただけでなく、なんやかやと遥かだった。

    行くならインカトレイルでと決めていた。遺跡を探訪しながら、インカ時代の古道をテント3泊でマチュピチュまで歩く。そして、観光客がほとんどいない早朝に入場する。人気がある上に1日のトレッカーが約200人と限られているということなので、段取りよく半年前には予約を完了した。

    標高4200mの峠越えがあるので、へばったりしないよう、春からトレーニングを積むことにした。結構な怠け者であるが、こういう状況になるとえらく熱心なのだ。

    山のためのトレーニングの基本は山へ行くことである。まずはゴールデンウィークに、三重と奈良の県境にある西の黒部とも呼ばれる秘境大杉谷へ。そして、7月末には屋久島・宮之浦岳の縦走へ。いずれも1泊2日の山行を軽くクリアした。

    インカトレイルの地図を眺めて、これだけ歩ければ楽勝であろうと臨んだ。体力的には確かに大丈夫だった。しかし、考えが甘かった。高山病のことを頭に入れていなかった。いや、入れてはいたのだが、これほど悩まされるとは思っていなかった。

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