塩野義製薬は4月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として承認申請中の経口ウイルス薬S-217622について、「動物実験で胎児に骨格形態異常を引き起こす『催奇形性』が確認された」などと報道されたことに対しコメントを発表した。
塩野義は、S-217622の非臨床試験で胎児における骨格形態異常が生じていることは事実としながら、この試験結果は厚労省とPMDAに報告済みであり、2月25日付で提出した承認申請資料にも含まれていると説明。「(報道された内容は)本治療薬の承認審査の可否に影響を与えるものではない」との見解を示している。
また、非臨床試験の試験結果は「臨床における投与量、想定血中濃度、投与期間を超える条件で検出された所見」であり、治験実施医療機関に速やかに報告するとともに被験者にも説明していると強調。「当該非臨床試験の結果に対する臨床的意義や妊婦に対する適応については、承認申請において総合的に判断され、添付文書への記載内容が決定されることになる」との見通しを示している。
塩野義は、S-217622の第2/3相臨床試験のうちPhase 2b partの主要評価項目の解析が完了した時点で国内での製造販売承認を申請し、「条件付き承認制度」の適用を希望している。
現在実施中のS-217622の臨床試験
・軽症/中等症のSARS-CoV-2感染者を対象としたPhase 3 part(目標症例数:1785例)
・無症候/軽度症状のみ有するSARS-CoV-2感染者を対象としたPhase 2b/3 part(目標症例数:660例)