株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

痙性斜頸[私の治療]

No.5123 (2022年07月02日発行) P.44

榮森景子 (国立病院機構西新潟中央病院小児整形外科)

増田 浩 (国立病院機構西新潟中央病院機能脳外科)

登録日: 2022-07-04

最終更新日: 2022-06-29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 頭頸部の筋緊張異常により頭位が偏位する疾患で頚部ジストニアとも呼び、大脳基底核を中心とする運動制御の神経回路異常による一次性、脳性麻痺や水頭症、大脳基底核疾患などの中枢神経疾患に合併・続発する二次性、向精神薬などによる薬剤性に分類される。頭位異常は患者によって異なり、頭部の回旋・前後屈・側屈などの様々な組み合わせの頭位異常と運動制限を呈するため、いわゆる“斜頸”とは限らない。しばしば筋緊張亢進による痛みや、振戦などの不随意運動を伴うこともある。一次性のものは中年期の発症が多いが、神経疾患に合併する二次性のものは小児期にも発症し、重症例では座位保持困難や、嚥下機能の低下、上気道閉塞などの障害の原因となる。

    ▶診断のポイント

    既往歴と肉眼所見とで診断が容易な例が多いが、骨性斜頸や眼性斜頸等との鑑別は治療に直結するため重要である。原因の鑑別として頭頚部のMRI,CTなどの画像検査、薬剤の使用歴の聴取も必要である。治療の客観的評価方法としてはTsui score変法やTWSTRS (Toronto Western Spasmodic Torticollis Rating Scale)が汎用される。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    緊張亢進筋の弛緩を図り、頭位の改善と疼痛の緩和を得ることを目的として治療を行う。

    残り1,296文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top