日本イーライリリーと第一三共は6月8日、セロトニン1F受容体への選択性を有する世界初のジタン系片頭痛治療薬「レイボー錠50mg/100mg」(一般名:ラスミジタンコハク酸塩)の販売を開始した。薬価は、50mg 1錠324.70円、100mg 1錠570.90円。
レイボー錠は、イーライリリーが開発した新規の薬理作用を持つ片頭痛発作の急性期治療薬。血液脳関門通過性を有し、セロトニン1F受容体に選択的に結合することにより中枢での疼痛情報の伝達を抑制。末梢では三叉神経からの神経原性炎症や疼痛伝達に関わる神経伝達物質(カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)やグルタミン酸など)の放出を抑制し、片頭痛発作に対する作用を示すとされている。
レイボー錠の臨床試験のうち、日本人での有効性・安全性を評価するために実施したMONONOFU試験では、頭痛消失および頭痛改善でプラセボ群との間に有意差が認められ、随伴症状(MBS)も服用2時間後までに約6割で消失したことが確認された。
米国では2019年10月に片頭痛の急性期治療薬として承認。日本では2022年1月に「片頭痛」の効能・効果で製造販売が承認された。
「レイボー錠」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】片頭痛
【用法・用量】通常、1回100mgを片頭痛発作時に経口投与。患者の状態に応じて1回50mgまたは200mgを投与できる。頭痛消失後に再発した場合、24時間あたりの総投与量が200mgを超えない範囲で再投与できる