当院は、自治体の乳がん検診には参加していない。マンモグラフィの設備がないことがその理由である。とは言え、女性におけるがん罹患率の第1位は乳房(国立がん研究センター「最新がん統計」)であり、かかりつけ患者への啓蒙や検診状況の把握はきわめて重要で、本人が必要性を感じていないとしても、予防的介入も含めた「お節介な医者」であることが大切であると考えている。
この1年でも、私の患者から2名、乳がんが見つかった。正確に言うと、私の患者はお子さんで、いつも付き添いで来るお母さんである。子どもの受診の際に、お母さんのがん検診への声掛けを常に行っていた。30代や40代は子育てや仕事、親の介護に忙しく、自分自身の健康管理を怠りやすい。その世代に個別に声を掛けられる絶好の機会が、子どもの受診時なのである。
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