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フィリピンの貧困に考えた [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(44)]

No.4748 (2015年04月25日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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  • 本連載⑬「パワーあふれる『おばちゃん』に学ぶ」(2014年7月19日号)で紹介したフィリピンの小さな産院と、その隣にある、貧困のために学校へ行けない子どもたちが学ぶ場所「WISH HOUSE」を訪ねてきた。

    朝、トライシクル(サイドカー付きのオートバイ)に乗って、WISH HOUSEで勉強する子のお迎えに行った。小屋とも言えないほどの貧しい住まいから、2人の姉妹が出てきた。栄養が悪いせいか、年齢よりも2〜3歳は小さく見える。

    小学生くらいの子どもたちざっと20人ほどが、日記を書いて、計算の勉強をする。私語はなく、一生懸命だ。ちゃんと勉強できたら貧困から脱することができる、とまでは考えていないだろう。ぼんやりと眺めながら、人間にとって学ぶことは本能的な行動なのかもしれない、などと考えていた。

    そして、お昼ご飯。寄付で運営されているだけなので、贅沢なものではない。しかし、皆が小さい体でものすごい量を食べるのには驚いた。お腹いっぱい食べられるのはここしかない子もいるのだろう。

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