株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

脊髄電気刺激療法との40年(森本昌宏)[プラタナス]

No.5136 (2022年10月01日発行) P.3

森本昌宏 (大阪なんばクリニック院長)

登録日: 2022-10-01

最終更新日: 2022-09-28

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • Tさん(73歳)が私の外来を受診されたのは、2001年のことである。19歳ならびに33歳時に2回、脊椎側弯症との診断で矯正手術を受けられたが、「その後も腰下肢痛に悩んでいます。34歳頃からは、右肩甲骨の下にも痛みが出てきたんです」と訴えられた。X線では胸腰椎の左への側弯、第2腰椎の圧迫骨折と前方すべりがあった。

    failed back surgery syndrome(FBSS)として、まずは様々な神経ブロック療法、投薬を試みたが十分な除痛を得られないために、spinal cord electrical stimulation(SCS)用電極の挿入、続いて受信器の植え込み(この頃はまだ4極電極1本のみに対応、体外式刺激だった)を行い、痛みは著明に軽快した。以後、2018年までの間に計6回、電極の入れ替えや追加、刺激器の入れ替えなどを行い〔現在は8極を2本、1本は第9胸椎の高さ、もう1本はさらに上位へ(写真)〕、良好な治療効果を維持している。

    残り528文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top