No.4751 (2015年05月16日発行) P.75
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-02-20
英国のキャサリン妃の出産でいささか驚いたのは、産んだその日の夕方に退院されたことだ。欧米では一般的といわれても、王子のお妃様である。もしもっちゅうことを考えて大事をとったりせんのか。
真偽は定かではないが、大昔に聞いた話。特に名を秘す超有名な外科の先生が、米国でとある手術の習練を積んで帰ってこられた。ところが、帰国後立て続けに失敗。原因を聞かれて、ひと言「日本人は血が止まりにくい」とつぶやかれたとか。
こういう話に接すると、欧米人と日本人の間には、カラダの出来具合というか体質というかに根本的な違いがあるような気がしてしかたがない。以下、医学的ではないけれど、ドイツにいたころに同僚を見ていて感じた個人的な印象をいくつか。
まず、「食いだめができるのではないか」疑惑。普段からよく食べるかというと、そうでもない。貧乏学生などは質だけでなく量も質素であった。しかし、パーティーになると信じられないほどの量を食べる。狩猟民族の血のなせる技かも。
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