塩野義製薬は11月24日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(開発番号:S-268019)について、「初回免疫(1回目、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防」を適応として、国内での製造販売承認を申請したと発表した。国内の製薬メーカーが自ら開発したCOVID-19ワクチンを承認申請するのは初めて。
S-268019は、昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術「BEVS」を活用した遺伝子組換えタンパクワクチン。
承認申請は、国内で実施した5つの臨床試験の良好な結果に基づくもので、ファイザーのCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注(起源株)」を2回接種後6カ月以上経過した成人を対象とした国内第2/3相追加免疫(追加接種)試験では、コミナティ群に対するS-268019群の非劣性が検証され、5つの試験いずれにおいても安全性に関し臨床上の大きな懸念は認められなかったという。
塩野義はS-268019について今年2月から医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前評価相談を開始。実施中の臨床試験のデータに基づき厚労省やPMDAと協議を重ねてきた。