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されど高血圧 [プラタナス]

No.4825 (2016年10月15日発行) P.3

岩㟢康一 (市立甲府病院総合内科統括科部長/地域医療支援室長)

登録日: 2016-10-14

最終更新日: 2016-10-17

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  • これまで、数多くの高血圧患者を診療してきた。10年以上前、ある診療所からご紹介いただいた65歳の女性である。自覚症状はなく、身長148cm、体重61kg。50歳時より高血圧症の診断で降圧薬の内服を開始し、塩酸バルニジピン5mg/日で、外来血圧130~150/70~80mmHg程度にコントロールされていた。

    60歳時、腹部エコーで左副腎に10mmほどの腫瘍が発見されたが、その後増大はなく、内分泌的には問題ないのではないかとのことであった(写真)。しかし、少し心にひっかかるものがあり、文献なども調べて再検索を行ったところ、以下のようであった。

    血中コルチゾール基礎値:正常、overnightデキサメタゾン1mg、8mg抑制試験:血中コルチゾール抑制されず。ACTH基礎値:正常以下。血中DHEA-S、レニン活性(臥位)、血中アルドステロン、1日尿中カテコールアミン3分画:正常。腹部エコー、腹部CT:左副腎に15×10mmの腫瘍あり。副腎シンチグラフィー:左副腎への集積と右側の抑制あり。

    HbA1c 5.5%、T-chol 238mg/dL、TG 142 mg/dL、LDL-C 140mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 102mEq/L。

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