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『身近なペットによる感染症〜リスクから予防まで』について著者の今岡浩一先生にお聞きしました

No.5163 (2023年04月08日発行) P.67

登録日: 2022-12-16

最終更新日: 2022-12-16

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身近なペットによる感染症〜リスクから予防まで

今岡浩一(国立感染症研究所獣医科学部第一室 室長)

判型:A4判
頁数:27頁、図16点、表3点
価格:1,650円(税込)

─本コンテンツの特徴・魅力を教えてください。

動物由来感染症は動物との付き合い方が近くなるほど感染リスクが増すことから、身近な愛玩動物は、実は重要な感染源動物です。特に近年は、COVID-19の流行による巣ごもりでヒトと愛玩動物の距離がより近くなり、ひいては感染リスクも増大しています。

愛玩動物、特にイヌ由来感染症で最初に思いつくのは狂犬病ですが、日本では徹底した狂犬病対策により国内の清浄化に成功しました。現在、イヌ咬傷に伴う感染症ではパスツレラ症やカプノサイトファーガ感染症など、イヌの常在菌によるもののほうが、患者も多く問題となっています。これらは咬まれるだけでなく舐められることでも感染することがありますが、パスツレラ症は咬傷から急激に進む局所症状、カプノサイトファーガ感染症は局所症状を伴わずいきなりの全身症状と、この2つの感染症の病態は大きく異なります。動物由来感染症の診断で何より重要なのは、動物との接触歴(どのような動物と、いつ、どのように)を問診により把握することです。

─本コンテンツでスキルアップすると臨床上、どんな良い変化が期待できますか?

本コンテンツでは、まず愛玩動物を飼育することのリスクを紹介し、実際にどのような感染症があるのか表で提示します。表に取り上げられた感染症の多さに驚きますが、中でも感染症法に指定されていない感染症のほうが実は多いことに気がつきます。このことは、実患者数の把握が難しく、認知される数よりも実際には多いことを意味します。ついで、代表的な(ほんの一部にすぎませんが)、診察室で遭遇する機会が想定される感染症について解説を加えました。

動物由来感染症については、日本は狂犬病やペストの征圧に成功した世界でもトップクラスの清浄国ですが、愛玩用に輸入される動物の種類や数はいまだに多く、新たな感染症の侵入も懸念されています。本コンテンツが、国内の身近な動物が感染源となる疾患について理解を深めて頂く一助となればと思います。

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