今年から8月11日が祝日になりました。
「 祝日のなかった8月に、突如として「山の日」なるものが現れたのです。お盆の前の忙しい時期なのにねぇ……。休みが増えてうれしいやら、仕事のやりくりに経営者としては戸惑うやらで、こんなに休日ばかり設けて、日本は果たして大丈夫なの?
そもそも、なぜ「山の日」なのでしょうか。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とした祝日らしいのですが、それには「山の日制定協議会」の人たちの働きかけがあったからだそうです。凡人は、「海の日」があって「山の日」がないのは不釣合いだから制定したのかな、と思っていたのですが、祝日を決めるには祝日法を改正する必要があるため、山の日制定議員連盟(会長:衛藤征士郎、最高顧問:谷垣禎一)が結成されたそうで、これもまた政治なのでした。
というわけで、8月11日は晴れて国民の祝日になりました。とはいえ、このままずっと11日であり続けるか、とは誰も、少なくともわたしは思っていません。海の日も最初は7月20日でした。でも今は違います。7月の第3月曜日に変更されているのです。山の日の場合、最初は12日が有力視されていたのですが、日航機が墜落した日(1985年)はいかがなものか、という声があり、前日になったという経緯があります。東京オリンピック(1964年)にちなんで制定された体育の日も、ハッピーマンデー制度により10月10日ではありません。4月29日は昭和であれば天皇誕生日、今は昭和の日。ということは、現在の天皇誕生日は次の世代には異なる名称になるはずです。連続した休みでないと経済効果が薄いと判断されるため、変更が不可能な春分の日・秋分の日などを除いて、お上の都合で休日は変更されてしまうのでした。
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