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父の日に交錯する思い [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(52)]

No.4756 (2015年06月20日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-17

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  • 父の日は、母の日に比べて地位が低いような気がする。ウィキペディアによると、母の日も父の日も、各国によって日にちはまちまち。そして、ここでも日本はアメリカのシステムを踏襲している。

    アメリカで5月の第2日曜日を母の日と制定したのが1914年で、意外に古くない。しかし、父の日が6月の第3日曜日に定められたのは1966年で、母の日に比べてなんと半世紀遅れ。

    母の日より1カ月と1週間後、というのも、いかにもとってつけたような感じがする。父の日が4月の第1日曜やったりしたら、もっと盛り上がるかもしれんのに。それに、母の日にはカーネーションというシンボルがあるのに、父の日にはそれもない。

    娘が2人いる。ずいぶん昔であるが、父の日が近づいたある日、「お父さんは勝手気ままにいろんな物を買っているから、あげるものがない」と言われた。確かにそうである。子供のお小遣いで買えるもので欲しい物など、そうはないのである。

    そこで一計を案じた。「無駄遣いと思えるような物を買っても、そんなもん買ってどうするの、と文句を言われない権利」をプレゼントとして頂戴することにした。買うのは自分のお金である。

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