No.5151 (2023年01月14日発行) P.12
黒田 萌 (富山大学附属病院総合診療科/SUNY Upstate Medical University, Master of Public Health Program)
黒田 格 (富山大学附属病院総合診療科/SUNY Upstate Medical University, Department of Family Medicine)
太田龍一 (雲南市立病院地域ケア科)
登録日: 2023-01-12
最終更新日: 2023-01-12
SUMMARY
慢性疾患から救急まで全科診療を行う離島医療は,プライマリ・ケア実践の重要な場である。離島医師同士の振り返りネットワークは,医師の経験学習・省察的実践の要となり,島民の健康を支えている。
KEYWORD
省察的実践
専門家が実践の中で,直面する問題を分析し,理論を見つけ,その後の実践に理論を生かしていくことを繰り返し,成長していくさま。
PROFILE
2013年宮崎大学卒。沖縄県立中部病院,沖縄県立南部医療センター・こども医療センター附属北大東診療所,座間味診療所を経て現職。2021年8月より米国に留学中。(黒田 萌,写真も)
POLICY・座右の銘
理想を現実に
「離島医師」の働く環境は多様であり,求められる医療ニーズも離島によって異なる。どのような離島であっても,医療保健福祉・人的資源に限りがあり,全科対応できる能力が求められる1)2)。
離島医師の学習機会は非常に重要だが,離島を離れての勉強会や学会参加も,天候や代診医の確保などの条件が必要であり容易ではない。そこで重要な役割を果たすのが,クラウドやオンライン会議を用いた遠隔教育システムである3)。本稿では沖縄県立病院附属の離島の医師1人体制診療所をつなぐネットワークを例にとり,その重要性について述べる。