株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

口腔癌[私の治療]

No.5152 (2023年01月21日発行) P.48

朝蔭孝宏 (東京医科歯科大学頭頸部外科教授)

登録日: 2023-01-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 口腔は解剖学的に頰粘膜,上歯肉,下歯肉,硬口蓋,舌,口腔底に分類される。口腔癌はこれらの部位にできたがんの総称である。わが国における人口10万人当たりの発症数は,数十人である。最も多いのは舌癌であり,そのほか下歯肉癌,上歯肉癌,口腔底癌などが続く。発がん原因としては以前より喫煙,飲酒などが挙げられている。大半が扁平上皮癌で占められる。

    ▶診断のポイント

    口腔内は容易に観察できるので,肉眼的に病変の部位を確認できる。生検の結果をもって口腔癌の診断が確定する。原発巣の深達度評価には造影MRIが,頸部リンパ節転移の評価には造影CTが有用である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    口腔癌においては外科的治療を中心として治療計画をたてる。一部の早期がんにおいては,小線源を用いた放射線治療の適応となることがある。しかし,日本放射線腫瘍学会小線源治療部会によると,頭頸部領域の小線源治療を行っている施設は全国で19施設と限られている。口腔癌の原発巣に対する外科的治療は,早期がんであれば部分切除術などが,進行がんでは半切除術,亜全摘術,全摘術などが適応となる。

    頸部リンパ節の取り扱いについては,N0症例でも原発巣の進展範囲などによりLevel I〜Ⅲの予防的頸部郭清術が行われる場合がある。N(+)症例においては,Level I〜Ⅳ領域を含む頸部郭清術が適応となる。状況に応じてLevel V領域の郭清も追加される。また,進行がんの切除後には,遊離組織移植による再建術,誤嚥防止のための喉頭挙上術,気管切開術などが併せて行われる。

    他の頭頸部癌と同様に,術後病理組織検査における切除断端陽性例やリンパ節転移の節外浸潤陽性例に対しては,高用量のシスプラチンを用いた,術後化学放射線療法が適応となる。導入化学療法や術後化学療法が行われることは稀である。

    残り979文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    関連物件情報

    もっと見る

    page top