日本医師会と厚生労働省が6日に開催した社会保険指導者講習会で講演した厚労省保険局の迫井正深医療課長は、2025年に目指すべき地域包括ケアシステムの構築に向け、「医療に“生活視点”をいかに導入するかが大きな課題」との認識を示した。
迫井氏は地域包括ケアシステムの目指す方向性として、「概ね30分以内の住み慣れた地域で生活を継続することを可能にする」と説明。そのため「あるべき姿は地域ごとで異なる」と指摘し、「地域で必要な医療・介護サービスを提供するだけでなく、必要とされるサービスを地域“が”提供することが重要」と強調した。システム構築に向けたポイントには、生活支援サービスの充実と高齢者の社会参加を挙げ、「『地域づくり』による生活支援・介護予防と『地域の医療・介護ネットワーク』によるケアをいかに両立させるかがカギとなる」との考えを示した。
また、医療サービスの提供においては医療者が医療と生活の視点を備えることが必要とし、①他施設・サービスとの連携、②多職種連携の推進と人材育成、③住まいの機能を備えた長期療養、生活機能を意識したリハビリテーション等生活ニーズ・生活環境への配慮─などへの取り組みを医療機関に求めた。