アンジェスは5月12日、今年3月に希少疾病医薬品に指定された早老症治療薬「ゾキンヴィ」(一般名:ロナファルニブ)について国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
ゾキンヴィの対象疾患は、乳児早老症といわれる「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)」と「プロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)」。早老症の中でも特に症状が重い疾患で、いずれの病型とも、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚症状、全身性脂肪性筋萎縮症、脱毛症、関節拘縮、骨格形成不全、動脈硬化の促進などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患により若年期に死亡するとされている。現時点で確立した治療法はない。
ゾキンヴィは、核膜の構造・機能を損なうファルネシル化された変異タンパク質(核の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害する疾患修飾剤。2020年に米国、2022年に欧州連合、英国で承認されている。アンジェスは2022年5月、ゾキンヴィを米国で販売するアイガー社との間で日本での独占販売契約を締結した。日本での使用患者数は「数名程度」と見込まれている。
「ゾキンヴィ」の有効性
HGPS患者の死亡率を60%減少させ(p=0.0064)、平均生存期間を2.5年延長させる(p<0.0001)というデータがあり、多くの患者が10年以上にわたりゾキンヴィ治療を継続しているとされている