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COVID-19における血液浄化療法の意義は?

No.5176 (2023年07月08日発行) P.52

三浦健一郎 (東京女子医科大学腎臓小児科准教授)

片桐大輔 (国立国際医療研究センター病院腎臓内科)

登録日: 2023-07-06

最終更新日: 2023-07-04

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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における血液浄化療法の意義についてご教示下さい。
    国立国際医療研究センター病院・片桐大輔先生にご解説をお願いします。

    【質問者】三浦健一郎 東京女子医科大学腎臓小児科准教授


    【回答】

     【炎症や凝固障害に起因する重症化を予防する効果も期待される】

    2019年末から始まったコロナ禍では,世界中で多くの死者を出すことになりました。各種の治療薬が開発,あるいは臨床応用されてきましたが,SARS-CoV-2ワクチン未接種の場合,あるいは,もともと重症化リスクが高いCOVID- 19患者では,人工呼吸管理あるいは体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)など集中治療が必要となる重症者も一定数存在します。

    重症化したCOVID-19では,血小板や血管内皮に対する直接的な作用,もしくは炎症や凝固障害による間接的な作用によって,血栓形成の増加,塞栓や出血が起こり,結果として多臓器に障害を起こします1)2)。糖尿病や肥満などの心血管リスクがある患者では,この血栓症や内皮障害,慢性炎症が背景にあるため,より重篤化しやすいとされています。COVID-19の重症化予防や治療における戦略として,血小板凝集(throbocytopathy),内皮細胞障害(endotheliopathy),そして炎症(inflammation)および凝固障害(coagulopathy)をターゲットとした併用療法が挙げられます1)

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