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日本におけるバケーションの非存在 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(64)]

No.4768 (2015年09月12日発行) P.74

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-13

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  • 長期休暇とはいったいどれくらいを指すのだろう。日本では、おおよそ1週間以上というところだろうか。こんなときウィキペディアが便利である。長期休暇の定義はないけれど、休暇の法定日数が載っている。

    日本は「病気欠勤を含む有給18日」、アメリカは特に規定がないけれど一般的には7〜21日、EUは4週間。いちばん長いのは、さすがのフランスで7週間らしい。

    かつて住んでいたドイツの長期休暇=Urlaubは「日曜日を含まない24日間」とあるから、おおよそ4〜5週間である。それも持ち越しが可能なようで、当時のボスは、昨年休まなかったので2年分と、ほぼ2カ月の長期休暇をとっておったりした。

    そのボスに、お前はどれくらい休むのかと聞かれて、思い切って「10日間」と答えたら、そんな短さでは休んだことにならないからもっと休めと言われてぶっとんだ。

    なんでも、4週間お休みをとるとすると、1週間かけて仕事のことを忘れ、そこからの2週間がほんとうのお休み。そして、1週間かけて仕事を思い出す、というのが、ボスの御説明。たった1週間のお休みでは、仕事を忘れるところまですらいかないから、そんなんではあかんというのだ。

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