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オンライン診療でプライマリ・ケアを実践するための,6つの問いかけ─オンライン診療の,最新の提供ルールのまとめ[プライマリ・ケアの理論と実践(182)]

No.5178 (2023年07月22日発行) P.14

吉田 伸 (飯塚病院・頴田病院総合診療科)

登録日: 2023-07-21

最終更新日: 2023-07-20

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SUMMARY
オンライン診療でプライマリ・ケアを提供するためには,医師-患者関係の構築,オンライン診療支援者または看護師の存在,初診か再診か,患者の症状,処方ルール,そして次回以降の受診形態,について問いかける必要がある。

KEYWORD
プライマリ・ケア的なオンライン診療
オンライン診療の特長のうち,①近接性(対面受診と比較して患者の時間的・空間的・心理的な負担を軽減できる),②継続性(感染リスクを気にして診療を中止・延期する必要がない),③包括性(患者の生活情報をスクリーン越しに確認して診療ができる),を活用してかかりつけの患者や家族に提供すること。

吉田 伸(飯塚病院・頴田病院総合診療科)

PROFILE
名古屋市立大学医学部卒業,麻生飯塚病院初期研修修了。飯塚・頴田総合診療専門研修プログラム副責任者。日本プライマリ・ケア連合学会理事,ICT診療委員会委員長。

POLICY・座右の銘
悠々として急げ

本シリーズでは6回にわけて,プライマリ・ケアの理論に沿ったオンライン診療の実践についてご紹介する。

この第1回では,これらのメリットを引き出すために必要な,以下の6つの問いかけについて解説する。

Q1. 医師-患者関係が構築されているか?

厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(以下,指針)1)によれば,オンライン診療は,「患者が医師に対して,心身の状態に関する情報を伝えることとなることから,医師と患者が相互に信頼関係を構築した上で行われるべき」とある。また,これに付随して,診療計画も含めた双方の合意と,医師側の都合で行うものではなく,患者側からの求めがあって成立するものとされている。

さらに2022年の指針改訂では,後述する初診からのオンライン診療については,日頃より対面診療を重ねている等,患者と直接的な関係が既に存在する,「かかりつけの医師」が原則として行うこととされている。

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