マルホは9月1日、JNCが有する白癬菌抗原キット「デルマクイック爪白癬」の製造販売承認を承継したと発表した。
デルマクイック爪白癬は、イムノクロマト法を用いた国内初の白癬菌抗原キット。2022年2月に保険適用、同年6月よりマルホが販売していたが、今後は同社が製造販売会社として情報提供と安定供給に取り組むこととなる。
埼玉医大皮膚科教授の常深祐一郎氏は1日、マルホと佐藤製薬が開いたメディア向けセミナーで、白癬菌抗原検査キットによる爪水虫(爪白癬)診断と治療について解説。爪白癬検査の第一選択は顕微鏡などの機器を必要とする「KOH直接鏡検法」としながら、KOH直接鏡検法で陰性となっても臨床所見などから爪白癬が疑われる場合や、顕微鏡がない施設、往診先ではイムノクロマト法も選択肢の1つとして考え得るとした。
爪白癬治療については、外用薬による治療がいまだ広く行われているが、完全治癒(菌を完全に排除+臨床的爪白癬症状なし)させるには経口抗真菌薬の投与が基本となると指摘。「漫然とした治療(クリニカルイナーシャ)は治癒しない上に医療費の無駄にもつながってしまう」と注意を呼びかけた。
「デルマクイック爪白癬」の保険適用
【検体検査実施料】白癬菌抗原定性:233点(爪白癬が疑われる患者に対してイムノクロマト法により爪中の白癬菌抗原を測定した場合に算定)
【検体検査判断料】免疫学的検査判断料:144点