厚生労働省は8月31日、2024年度の税制改正要望を財務省に提出した。新規事項では、改正感染症法の流行初期医療確保措置による医療機関の収入について、事業税を非課税とする措置の創設を要望した。
改正感染症法では、都道府県と医療機関に対して、新興感染症発生時の病床確保や発熱外来の実施に関する事前協定を結ぶことを求めている(24年4月1日施行)。その際、補助金や診療報酬上の特例措置がまだ整っていない、流行の初期段階から対応にあたる医療機関とは、通常医療の制限による減収の補てんを目的とした財政支援(流行初期医療確保措置)付きの契約を締結する。この措置による収入が実質的には診療報酬による収入の代替となるため、厚労省は税制上の取扱いを診療報酬に揃え、事業税を非課税とすることを要望した。
地域医療構想の実現に向けた税制上の優遇措置の継続も要望。厚生労働大臣が認定した計画(認定再編計画)に基づく医療機関の再編のために土地・建物を取得した場合については、登録免許税と不動産取得税の税率を軽減する優遇措置が設けられている。このうち不動産取得税の優遇措置について、現在は24年3月末とされている適用期限を26年3月末まで2年間延長することを求めた。
健康・医療関係ではこのほか、たばこの消費を抑制して国民の健康を守る狙いから、たばこ税率と地方たばこ税率の引き上げも要望した。