東京都医師会は9月12日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者が増えていることに危機感を表明、9月20日から始まる令和5年秋開始接種を受けるよう呼びかけるとともに、3種のコロナ経口薬について、公費負担の継続を求めた。
会見の冒頭で尾﨑治夫会長は、「定点報告数から逆算すると、1万5000人くらいの患者が東京では毎日出ている」として、第8波のピーク(2023年1月)に迫る状況にあることを強調。現在は変異株のEG.5(エリス)が主流になり、BA.2.86(ピロラ)も登場してきていることに触れながら、「9月20日からXBB.1.5対応の1価ワクチンが出てくる。これは今流行している株に効果があると言われており、これまでにワクチン接種が2回以下の方、高齢者の方はぜひ打っていただきたい」と呼びかけた。また、現在の9波が収まった後も、次の冬には10波の到来が予測されるとして、「この冬を乗り切るまでは3種類の経口薬については引き続き公費負担をお願いしたい」と述べた。
治療薬として3種類の抗ウイルス薬(ラゲブリオ、パキロビッドパック600、ゾコーバ)の取り扱いについて解説した鳥居明理事は、10月1日以降は窓口負担の上限を段階的に設ける調整案(3割負担で最大9000円)が検討されていることに触れ、「少なくとも来年3月まで全額公費負担延長を提言したい」と述べた。